備忘録

色々と備忘録を載せます。

前進したような、後退したような日だった。

 
そういえば、言ってしまえば自分の中でさほど衝撃がなかったことのように思えたり聞き取れたりするかもしれないが、当時の私には衝撃というかほっとした安心感のようなものがあったのでここに書き溜めておく。

 

 

2021年5月10日、私は行きつけの精神科(心療内科)に発達障害のことを相談しに行った。

 

経緯は省くが簡単に言えば、発達障害の傾向である「過集中」「飽きっぽい」「社会に適応できない」などのことが当てはまりすぎて生きづらさを抱えていたからである。

そこで主治医から本を見せられた。確か、女性の発達障害だとか女性の自閉症だとかの本だったと記憶している。

そこには当てはまることばかりが書かれていた。発育はむしろ良いのに趣味嗜好が子供っぽいことや、孤立してしまうこと。

そして何より当てはまっていたのは「男性からの悪意、性的犯罪に気付きにくい」ということ。

 

 

此処から先は私の「そういう」体験談だから、嫌な人はここで読むのをやめてほしい。

 

 

 

 

詳しくは流石に書かないが、私の初体験は小学校6年生、まだ生理が来る直前だった。

 

その日は仲良くしてくれていた子の家から自転車で帰る途中で、もう父が亡くなっていた私には母しか身寄りがなかったが、以前の記事にも書いたように母は私のことをあまり好いてはいなかったため、私はちょっとした反抗期だったのか、少し遅くに人通りなんてない半分山道みたいな坂を下っていた。

 

そんな時、珍しく向かいからワゴン車がやってきた。そのワゴン車はすごく運転が荒くて、私は道の脇にある空き地のような空間に自転車を寄せなければならなかった。

普通なら過ぎ去るその車からは男2人が降りてきた。なんの疑問も持たない私は普通に男の人と何か話したという曖昧な記憶しか残っていない。

気づけば体中が蹴られたとか殴られたとか、そういう痛みに、なぜか股間が痛かった。お腹が痛いというのか。多分抵抗して暴行されたんだろう。

なんとか服を着た状態で、気づいたらその空き地の中で倒れていた。空を見ると、夕暮れだった空に星が瞬いていた。どれだけの時間だったのか分からない。だって途中から覚えていないから。

 

なんとか家に帰った。母親はまだ帰ってなかったから、なんにも相談とかする気になれなかった。いや、帰っていたとしても、叱られたとしてもあの人に何か相談するとか、当時の私は考えもしなかったと思う。

 

身体から何かが溢れたりもした。生理かと思ったけど違う色だった。そこはご想像におまかせするとする。

 

 

そこから、中学、高校と下着売りを男の人にさせられたり、学校でまた無理やりされそうになったり、とにかく男の人に鈍感だった。

 

なんでこんなに鈍感なのか。

今になって考えると、男の人は父親みたいに聖人、というイメージが強かった。だから女の人より男の人を今でも信用したがる。

私の中で異性という感情はなく、父親みたいにいい人しか男の人にはいない、と思い込んでいる節があるのだ。

 

だからきっと、「そういう」人に引っかかるのだ。

 

なんだかそれに衝撃を受けた。

もしかして、もしかしなくても私はこういう被害に遭う人たちと同じ分類なのかもしれない。というか、私以外にもこういう人の悪意というものに鈍感な人がいるんだということにも衝撃を受けた。

 

オチもなんにもない話だが、それが衝撃で。

診察の最後の方に主治医からチェックシートみたいなものを渡された。

「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」「どちらかといえばあてはまらない」「あてはまらない」で回答する、シンプルで難しいものだった。

50問あるそれに答えた後の私は、なんとも言えない気持ちになった。

 

ああ。もしかしたらうつとか不安障害とかそんなものよりも根本的なものを持ってることが分かってしまうかもしれない。

 

まさに、前進したような、後退したような、そんな日になってしまった。